自動車保険はどこまで補償してくれる?補償範囲を知って賢く使おう!

いざ事故をしたときに、自動車保険はどこまで補償してくれるのでしょうか?

せっかく入っている保険。

補償範囲をしっかり押さえて、賢く使いましょう。

自動車保険の代表的な補償内容

  • 対人賠償(+自賠責保険)
  • 対物賠償
  • 人身傷害保険
  • 登場者傷害保険
  • 車両保険

漢字ばかりで、ややこしそうですよね。

細かい話に入る前に、自動車保険の補償内容をざくっと把握できる、便利な分類をお話しましょう。

この分類を知っておくだけで、保険会社や代理店の人と話すときに理解しやすくなりますよ。

自動車保険の補償内容・早わかり表

「自分」と「相手」

「ヒト」と「モノ」

この4つでマトリックスを作るんです。

一言で自動車保険といっても、その中身は「相手への賠償」「自分への補償」「ヒトに対応する補償」「モノに対応する補償」の組み合わせになっています。

この表を片隅においてもらった上で、読み進めていただくとずっと理解しやすくなりますよ。

対人賠償(+自賠責保険)の補償内容

自動車事故で、相手にケガをさせてしまった…!

そんなときには自動車保険のなかの「対人賠償」で対応することになります。

対人賠償と自賠責保険の関係

ただ、相手がケガをしていても初めから「対人賠償」を使うわけではありません。

自動車は、自賠責法(正式名称は、自動車損害賠償保障法)という法律にもとづいて、「自賠責保険」への加入が義務づけられているからです。

まずは、この「自賠責保険」から相手への損害賠償(ケガの治療費や慰謝料など)が支払われます。

そして、自賠責で対応できる範囲を超えたときに、「対人賠償」で補償することになります。

自賠責保険の補償範囲

それでは、まず自賠責保険の補償範囲を確認しておきましょう。

なお、自賠責は法律にもとづいた保険なので、どの保険会社で加入しても、補償内容も保険料もまったく変わりません。

相手が傷害(ケガ)をしてしまった場合

被害者1名につき120万円を限度に、次のような費用が支払われます。

  • ケガの治療費(実費)
  • 慰謝料(1日あたり4,200円)
  • 休業損害(1日あたり5,700円、証明できれば19,000円を限度として実額)
  • 諸雑費(入院1日あたり1,100円)
  • 通院交通費(実費)

ほかにも、お子さんが通院される場合には親族の付き添い費用として「看護料」や、必要に応じて義肢・松葉杖などの費用なども補償の対象です。

相手に後遺障害が残ってしまった場合

神経系統の機能や精神・今日腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害

  • 常時介護を要する場合(第1級):被害者1名につき4,000万円
  • 随時介護を要する場合(第2級):被害者1名につき3,000万円

それ以外の後遺障害

  • 後遺障害の等級に応じて、被害者1名につき第1級3,000万円~第14級75万円
支払いの対象になる損害 支払基準
逸失利益 後遺障害のために、発生すると思われる将来の収入減 その人の収入や、後遺障害の程度(1級~14級)、収入減の期間などによって計算
慰謝料等 交通事故による精神的・肉体的な苦痛への補償 神経系統の機能や精神・今日腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害の場合

第1級:1,600万円+初期費用500万円、第2級:1,163万円+初期費用205万円

それ以外の後遺障害の場合

第1級:1,100万円~第14級32万円(第1~3級で家族に扶養される者がいれば増額)

相手が死亡してしまったような場合

被害者1名につき3,000万円を限度として、次のような補償内容になります。

  • 亡くなった方の葬儀費用(60万円~100万円)
  • 逸失利益(亡くならなければ稼いだと思われる収入から、本人の生活費分を除いたもの)
  • 本人分の慰謝料(350万円)
  • 遺族分の慰謝料(請求する遺族の人数により550万円~750万円)

自賠責の内容について、さらに詳しく知りたい方はこちらのページもどうぞ。

自賠責保険の補償範囲はどこまで?任意保険との違いは?スッキリ解説!

対人賠償の補償範囲

大きな事故になると、自賠責では足りないケースが頻繁に起こります。

ケガであれば120万円までの補償しかありませんし、最悪のケース(死亡事故)であっても3,000万円が限度だからです。

自賠責は、被害者救済を目的とした最小限の補償でしかありません。

そこで、自賠責が足りない場合に、対人賠償から補償をすることになります。

対人賠償保険は、「無制限」に設定しておくのが基本です。

過去の判例では、最高5億843万円の賠償を裁判所が認めた例があります。

死亡事故だったのですが相手がお医者さんだったために、非常に高額な賠償となってしまった事例です。

  • 事故の相手の年収が高額
  • 事故の相手の年齢が若い
  • 事故の相手に、寝たきりなど重い後遺障害が残ってしまった

上記のようなケースでは、賠償額が非常に高額になることがあります。

事故の相手を選ぶことはできませんので、対人賠償は「無制限」にしておきましょう。

対物賠償の補償内容

お家の塀にぶつかってしまったり、相手の車を壊してしまったり。

相手の物を壊してしまった…!

そのときには対物賠償で対応することになります。

モノを壊してしまっても、自賠責からは1円も支払われない

人をケガさせてしまった場合には、先に「自賠責」から支払い、それを超える部分を「対人賠償」で支払います。

一方、物を壊してしまった場合には、最初から「対物賠償」で補償をします。

自賠責には、物を壊してしまった場合の補償がまったくないからです。

ですので、任意保険にはいっていない状態で、モノを壊してしまった場合には、すべて自腹で賠償をしなければいけなくなります。

対物賠償も高額になるケースは多い

対人ほど高額になるケースは稀ですが、対物も相手によっては高額になることがあります。

特に「営業用」のモノを壊した場合には大変です。

例えば、ブレーキとアクセルを踏み間違えてコンビニに突っ込んでしまうような事故や、コインパーキングの機械を壊してしまったようなケースです。

営業用のモノを壊すと、そのモノの修理費は当然ながら、モノが使えないことによって得られなくなった収益を賠償しなければなりません。

コンビニに突っ込んだ事例でいえば、コンビニを直すのはもちろん、営業を中止せざるをえなかった期間の売上を補填しなければいけなくなります。

対人ほど高額にならないとはいえ、対物であっても、とても自腹で払えないような金額になってしまうケースは多くあります。

対物賠償も「無制限」が基本です。

人身傷害保険の補償内容

運転していた人や一緒に乗っていた人がケガをしてしまった…!

そんな場合に支払うのが、人身傷害保険搭乗者傷害保険です。

両方とも、ケガの保険ですが、支払い方が大きく違います。

人身傷害保険は、相手からの「対人賠償」で支払われない部分を補う保険です。

相手がいる事故の場合には、事故の種類によって「過失割合」が出てきます。

例えば、相手側の過失が6、こちら側の過失が4のケースを考えてみましょう。

自分の治療費が10万円かかったとすると、相手からの「対人賠償」で受け取れるのは、6万円だけです。

「相手の責任は6割なんだから治療費も6割払えばいい」という理屈です。

でも、実際には、残りの4万円がないと困りますよね。

この4万円、自分の過失の分を補ってくれるのが「人身傷害保険」です。

人身傷害保険は、「3,000万円」「5,000万円」といった形で補償を決めます。

これは、「3,000万円を上限に補償します」「5,000万円が上限です」という意味です。

人身傷害保険は、数千万円といったとても大きな補償を、安い保険料でカバーできる保険です。

一方、「支払いが遅くなる」という欠点も持ち合わせています。

治療がだいたい終わり、その上で、支払う金額を決めていくからです。

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は「定額払い」の保険です。

相手との過失割合などはまったく関係せず、条件を満たせば、決まった金額が支払われます。

人身傷害保険は、補償が大きい反面、支払いが遅いという特徴を持っていますが、搭乗者傷害保険はその反対です。

登場者傷害保険では、大きな補償を用意することはできません。

10万円、50万円、大きくても100万円程度のことが多いです。

ですが、支払いの条件が「5日以上の通院」といったように設定されており、治療が終わっていなくても支払いを受けられます(※条件は保険会社によって違いがあります。あくまで一例です)

補償は小さいけれど、スピーディに補償を受けられるのが搭乗者傷害保険だといえます。

最近では保険料を抑えるために「搭乗者傷害保険」は外して、「人身傷害保険」のみを契約するパターンが増えてきています。

車両保険の補償内容

車両保険は、自分の車が壊れてしまって、その修理費に対応することができる保険です。

自動車保険で一番値段が高いのは、この車両保険なので、保険料を安くしたいときには車両保険の見直しがよく行われます。

車両保険には、大きく2つの種類があります。

補償が広い「一般車両保険」と、補償を限定して保険料を抑えた「車対車限定車両保険(エコノミー車両保険)」です。

一般車両保険

一般車両保険は、幅広い補償を持っています。

  • 他の車とぶつかってへこんでしまった
  • 飛び石で、フロントガラスにヒビが入った
  • 台風やゲリラ豪雨で水につかってしまった
  • 火災に巻き込まれた
  • いらずらで、ひっかきキズを入れられた
  • 電柱に衝突した
  • 自転車にぶつかった
  • 当て逃げをされた(相手が分からないまま)
  • 墜落してしまった

こういった場合に、幅広く補償してくれるのが「一般車両保険」です。

車対車限定車両保険

限定車両保険(エコノミー車両保険)は、一般車両保険から「自損事故」を対象外にしたものです。

先ほどの例で言うと、

  • 他の車とぶつかってへこんでしまった
  • 飛び石で、フロントガラスにヒビが入った
  • 台風やゲリラ豪雨で水につかってしまった
  • 火災に巻き込まれた
  • いらずらで、ひっかきキズを入れられた
  • 電柱に衝突した【対象外】
  • 自転車にぶつかった【対象外】
  • 当て逃げをされた(相手が分からないまま)【対象外】
  • 墜落してしまった【対象外】

自分一人で起こしてしまった事故を対象外にすることで、保険料を安く抑えています。

ただし、一点、注意なのは「当て逃げ」が対象外ということ。

エコノミー型の車両保険は、「相手の車が確認できること」が使うための条件になっています。

当て逃げの場合には限定車両保険は使えない。

ややこしいところなので、ぜひ頭に入れておきたいポイントです。

車両保険について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

車両保険の有無で、どれくらい保険料が変わるのか相場ものせていますよ。

車両保険。エコノミーと一般(フルカバー)のどちらを選ぶ?相場は?

まとめ

自動車保険の代表的な補償内容をまとめてみました。

せっかく入っている保険、賢く使いたいですね。