プロが教える自動車保険・補償内容の選び方。一般的なプランとおすすめ特約

自動車保険は、一番身近でありながら、一番複雑な保険かもしれません。

万一のために、必要なところはしっかりカバーしておきたい。

一方、補償を手厚くすればするほど保険料が高くなってしまいますよね。

  • 一般的な補償内容ってどんななんだろう?
  • どの程度のプランを用意すればいいんだろ?

今回は、そんなお悩みを解決すべく、保険のプロに補償内容の選び方を教えてもらいました。

自動車保険・補償内容の選び方

よくある3パターンに分けて、おすすめプランとその理由をまとめます。

  1. 一般的なおすすめプラン
  2. 複数の自動車があり、2台目以降のプラン
  3. 新しい車(購入して2年以内)のプラン

1. 一般的なおすすめプラン

まず、万人におすすめできる一般的なおすすめプランをみていきましょう。

  • 対人賠償:無制限
  • 対物賠償:無制限(対物超過修理費用特約あり)
  • 人身傷害:7,000万円~1億円(車外事故補償あり)
  • ロードサービス
  • 弁護士費用特約

詳しく解説します。

対人と対物は無制限が基本

相手への賠償は、対人も対物も「無制限」が基本です。

事故の相手によっては、賠償額が非常に高くなるケースがあります。

  • 相手の人が高収入だった場合
  • 相手が若い人であった場合
  • お店など、事業用の物を壊してしまった場合

事故の相手を選ぶことはできません。

どんな相手になるか分からないからこそ、どんなケースにも対応できるように「無制限」が基本です。

過去の事例では、5億円を超える賠償額が認められたケースもあります。

相手が開業医で、しかも41歳と比較的若かったことから非常に高額な賠償が認められました。

対人・対物はしっかりとかけておきましょう。

差がつくおすすめ「対物超過修理費用補償特約」

対物賠償は、無制限にするだけでなく必須の特約があります。

対物超過修理費用補償特約」です。

この特約がついているかどうかで、事故のときスムーズに解決できるかどうかに大きな違いが出るからです。

事故が起きたとき揉めやすいケースの一つに「相手の車が古い場合」があります。

「乗りはじめて、もう10年以上経ってるんです」

それだけ古い車になると、もう価値がほとんど残っておらず、10万円~20万円程度の価値しかありません。

仮に15万円の価値しかない(時価15万円)としましょう。

そんな車と事故をしてしまって、修理費の見積もりがきてびっくり。

「修理には40万円かかります」

こういった場合、保険で支払われるのはどちらの金額でしょうか?

15万円? 40万円?

正解は、15万円です。

「15万円の価値しかないのに40万円の修理費を認定することはできない」というわけです。

保険会社の言い分だけではなく裁判でも確立された考え方なので、この点を覆すことは難しいです。

とはいえ、被害者としてはたまりません。

車が壊れてしまった上に15万円しか払われないのでは困る!なんとかしてほしい!

そんなときスムーズに解決するための特約が、「対物超過修理費用補償特約」です。

この特約がついていれば、15万円ではなく修理費の40万円を保険から払うことができます。

法律上は15万円を賠償すればいいので、対物賠償からは15万円しか払われません。

それを超える修理費(25万円分)をこの特約から支払う、という仕組みです。

保険会社によって微妙に名前が違いますが、中身はほとんど同じです。

東京海上日動 対物超過修理費用補償特約
三井住友海上火災 対物超過修理費用特約
損保ジャパン日本興亜 対物全損時修理差額費用特約

また、保険会社によっては、この特約を「自動付帯」にしている会社もあります。

それくらい必須の特約ですので、ついているかどうかは必ずチェックしておきましょう。

人身傷害保険

自分たちのケガの補償としては、人身傷害保険をかけておきましょう。

人身傷害保険は、相手から払われなかった損害を幅広くカバーしてくれるとても心強い保険です。

相手がいる事故であれば、通常は、相手からの賠償金の支払いがあります。

賠償金には、次のような費用が含まれます。

  • 治療費(病院の治療費、実費)
  • 慰謝料(通院一日あたり4,200円目安)
  • 休業損害(仕事を休むことになり得られなかった収入)
  • 逸失利益(後遺障害や死亡などの場合に、事故のために失った収入)

ただし、相手から全額が払われるわけではありません。

相手に支払いの義務があるのは、相手の過失がある分だけです。

例えば、こちら側の治療費や慰謝料等をあわせて、30万円だとしましょう。

過失の割合は自分が4、相手が6というケースを考えてみます。

この場合には、相手から払われるのは、30万円×6割=18万円ということになります。

自分に4の過失があると、4割分は相手に請求することができません。

この4割を補償してくれるのが「人身傷害保険」です。

ケガにかかわる費用で、自分に過失がある分を払ってくれるのが人身傷害保険なんです。

相手から払われなかった部分を補ってくれる大切な保険です。

また、人身傷害保険は「相手が無保険だった場合」や「自損事故で相手がいないケース」でも使うことができます

無保険や自損事故など、相手から払われる賠償金がない場合には、自分の人身傷害保険が100%の補償をしてくれます。

ただし契約のときに設定した金額が「上限」となりますので、いくらで設定しておくのかが大切です。

よく見るのは3,000万円ですが、3,000万円では心もとないです。

  • 乗っている方の収入
  • 年齢

などによって大きく変動しますが、少なくとも7,000万円~1億円をおすすめします。

3,000万円から1億円に補償を上げたとしても、保険料にはあまり違いは出ませんよ。

差がつくおすすめ「車外事故補償」

人身傷害保険には、「車外事故補償」という特約があります。

通常であれば、人身傷害保険で保険金が支払われるのは、契約している車にのっているときだけです。

つまり、

  • 歩いているときに、相手車にはねられた
  • 自転車にのっているときに、ぶつけられた

こうしたケースでは、人身傷害保険では払われません。

もちろん、こうしたケースでは、相手が賠償義務を負いますので、相手がしっかり対応してくれれば問題ありません。

が、円満にいくケースばかりとは限りません。

  • 相手の対応が遅い
  • 相手が無保険だった
  • ひき逃げをされた

そういったケースで、人身傷害保険の「車外補償」をつけておけば、自分の入っている保険会社から、まず保険金の支払を受けることができます。

非常に便利な特約ですので、ご家族の車のうち1台はつけておきたい特約です。

ただ、何台も車をお持ちの場合には、「車外補償」をつけるのは1台だけで十分です。

何台もつけると補償が重複してしまいます。必要なところはしっかりかけつつ、ムダな保険料を払うことがないようチェックしておきましょう。

弁護士費用特約

弁護士費用も、ぜひつけておきたい特約です。

通常の事故は、保険会社が事故相手との交渉をします。

「示談代行サービス」と呼ばれるものです。

ですが、保険会社が交渉に入れない事故もあります。

こちらの過失がまったくない、もらい事故の場合には、自分の入っている保険会社に示談の代行をお願いすることはできません。

保険会社にお願いしなくても問題なければいいんですが、なかには

  • 相手の保険会社の対応が良くない
  • そもそも相手が無保険だった

といったケースもあります。

そんなときに、弁護士特約をつけていれば、弁護士を立てて相手とのやり取りを一任することができます。

自動車保険の弁護士費用特約は必要?いつ、どんな場面で使うの?

弁護士の知り合いがなくても、保険会社が交通事故に慣れた弁護士を紹介してくれるので安心です。

年間の保険料は、2,000円~3,000円程度ですので、ぜひつけておきましょう。

ロードサービス

ロードサービスも、万人におすすめできる補償です。

保険会社によって付け外し可能なところもあれば、自動的に付帯されることもあります。

事故時のレッカー移動の費用はもちろん、次のような車のトラブルの応急処置をしてくれます。

  • パンク
  • バッテリー上がり
  • ガス欠
  • 牽引

ロードサービスは基本的につけておくことをおすすめしますが、JAFを契約していると内容に重なる部分があります。

重複がもったいと感じるなら、どちらかを外すのも手です。

ただしロードサービスよりもJAFのほうが対象範囲が少し広いので、その点を頭に入れて選択しましょう。

ロードサービスは、「車が事故や故障で自力で走れなくなったとき」を補償対象にしている会社が多いです。

例えば「雪でスタックしてしまった」といった場合、JAFでは対応してくれますが、保険会社のロードサービスでは対象外のことが多いので気をつけましょう。

2. 自動車保険を二台以上かけるケース

2台目以降を契約する場合でも、ベースになる部分は、1台目と同じです。

次の点だけをチェックしておけばいいでしょう。

複数割引をチェック

複数の自動車保険をまとめることで、割引になるケースがあります。

「ノンフリート多数割引」と呼ばれる仕組みです。

保険会社によって割引率が違ったり、そもそも割引をしない会社もありますので、しっかりチェックしておきましょう。

補償の重複をチェック

自動車保険を何台もかけると、補償が重複するケースがあります。

重複している部分はムダな保険料になってしまうので、しっかり削って安くしておきましょう。

重複する可能性があるのは、次の4つの特約です。

  • 人身傷害保険の車外補償特約
  • 弁護士費用特約
  • ファミリーバイク特約
  • 個人賠償責任特約

どの特約も、1つの契約があれば、同居のご家族全員が対象になるものです。

補償の重複について、詳しく解説した記事もあります。

自動車保険の補償が重複!?無駄な保険料を払わないための4つのポイント

新しい車(購入して2年以内)の場合

新しいお車の場合には、一般的な補償に加えて、「車両保険」を検討しておきましょう。

車両保険には、大きく分けて2種類ありますが、コストパフォーマンスの面から「限定補償」がおすすめです。

一般車両保険と限定車両保険の違い

一般車両保険は、補償が広く、その分保険料も高いです。

限定車両保険は、相手車が確認できる事故と、一部の災害のときに車両保険を使うことができます。

相手車がいない、自損事故などでは使えないので、その分、保険料が安いです。

おすすめは、限定車両保険です。

理由は2つあります。

まず、一般車両保険はもともとの値段が高すぎるということ。

また、使い勝手の面でも、限定車両に軍配が上がります。

え? 補償が広いほうが使い勝手はいいんじゃないの?

確かに、一般車両保険は、車庫入れのミスや電柱との衝突など、完全な自損事故でも使うことができます。

ただ、保険を使うことで、翌年以降、保険料が上がってしまいます。

事故で自動車保険を使うと保険料はいつから、いくら上がる?保険料アップを抑える方法は?

保険を使ったら、どれくらい保険料が上がるでしょうか。

ケースバイケースですが、5万円~10万円程度は上がる可能性があります。

しかも、割高の保険料が3年間は続きます。

となると、多少の自損事故であれば保険を使うよりも自腹を切ったほうが安い、ということが起こります。

一方、相手がいる場合には、そうはいきません。

まず、相手のケガの治療費(対人)、相手の壊れた車の修理(対物)、自分のケガ(人身傷害)、自分の車の修理(車両保険)が同時に発生します。

この4つが同時に発生すると少なくとも数十万になりますし、相手が高級車だったりすればすぐに100万円を超えてしまいます。

そうなると、たとえ保険料が上がったとしても保険を使うほうが負担が少ないです。

「自分の車の修理だけを払っても、対人・対物・人身傷害・車両の4つを同時に使っても、次回の自動車保険が同じだけ値上がりする」というのがポイントです。

プランが決まったら保険会社の比較を

いかがでしたか。

今回は、自動車保険のおすすめプランを解説しました。

補償内容が決まったら、必ず保険会社の比較もしてみましょう。

「同じ内容なのに、こんなに保険料が違うの!?」

きっとそう驚かれると思います。

とはいえ、いちいち保険会社に連絡して見積もりを取るのは面倒くさいですよね。

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同じ補償でどれくらいの差が出るのか一目瞭然なので、おすすめですよ。

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