自賠責保険の補償範囲はどこまで?任意保険との違いは?スッキリ解説!

自動車保険には、大きく分けて「自賠責保険」と「任意保険」があります。

自賠責保険は、法律で加入が義務づけられているので「強制保険」と呼ばれることもあります。

自賠責(強制)に対して、民間の保険会社で加入する保険は、義務づけられているわけではないので「任意保険」と呼びます。

「任意」とはいえ加入率は全国平均で70%以上あり、車を運転する以上は必須と言ってもいいでしょう。

今回は、自賠責保険と任意保険の関係を解説します。

どうして自賠責保険があるのに、任意保険に加入するんでしょうか。

自賠責保険と任意保険は、どういう関係になっているんでしょうか。

疑問をスッキリ解決しましょう。

自賠責保険とは

自賠責保険は、自動車 、バイク(二輪自動車、原動機付自転車)を運転する人に、法律によって加入が義務づけられている保険です。

自動車損害賠償保障法

自賠責を義務づけているのは「自動車損害賠償保障法」という法律です。

第一条  この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

もし事故があった場合に、車が無保険で、被害者が何の保障も受けられないのは大きな問題があります。

そんなことになったら被害者が泣き寝入りすることになってしまうからです。

そこで、法律によって強制的に保険に加入させることで被害者が最低限の保障を受けられるようにしている、というわけです。

自賠責未加入は法律違反。罰則は?

自賠責は、法律によって義務づけられている保険なので、未加入の場合には罰則があります。

  •  1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 免許停止処分(違反点数6点)

いきなり免許停止になってしまいますので、気をつけたいところです。

とはいえ、車の場合には、自賠責に入っていないとそもそも車検が通りませんので、加入忘れを心配する必要はないでしょう。

問題なのは250CC以下のバイクの場合です。

車検がないので、気をつけておかないと「いつのまにか自賠責が切れている…!」ということがあります。

継続忘れに注意しましょう。

自賠責保険の保険料

自賠責保険の保険料は、車の種類と、保険をかける期間ごとに一律で決まっています。

年齢や免許の色、車で走る距離などは、自賠責保険の保険料には関係ありません。

2017年の4月から保険料が改定になっています。

自賠責保険の保険料(一例)

12ヶ月 24ヶ月 36ヶ月
普通乗用車 15,520円 25,830円 35,950円
軽自動車 15,130円 25,070円 34,820円
二輪車(125CC~250CC以下) 8,650円 12,220円 15,720円
原付(125CC以下) 7,500円 9950円 12,340円

自賠責保険の補償内容

自賠責保険の補償内容を確認していきましょう。

自賠責で補償されるのは「相手のケガへの賠償」だけ

まず大前提として、自賠責保険で補償されるのは「被害者のケガへの補償」だけです。

しかも上限が決まっていますので、ケガの補償であっても上限を超えた分は支払われません

自賠責で対応できないのは、次の費用です。

  • 被害者のケガにかかわる賠償金で、自賠責の上限を超えてしまうもの
  • モノにかかわる賠償金(相手の車の修理費など)
  • 自分のケガに対する治療費
  • 自分の車の修理費やレッカー代

どれも事故が起きるとほぼ間違いなく発生する費用ですが、自賠責保険では対応できません。

この部分を補ってくれるのが、民間の任意保険になります。

自賠責の補償①-ケガの場合

ケガの場合には、被害者1名につき120万円を限度に次の費用が支払われます。

ケガの治療費はもちろん、仕事を休まなければいけない場合の「休業損害」なども補償の対象です。

支払いの対象となる損害 支払基準
治療費 病院の治療費(診察、入院、手術、投薬の費用など) 治療にかかった実費
看護料 原則12歳以下の子どもへの近親者の付き添い

医師が必要と認めた、入院中の看護料、自宅看護料

入院1日あたり4,100円

自宅看護か通院1日あたり2,050円

諸雑費 入院中の諸雑費 1日あたり1,100円
通院交通費 通院にかかった交通費 通院にかかった実費
義肢等の費用 義肢、義眼、メガネ、補聴器、松葉杖などの費用 実費(メガネは50,000円限度)
診断書の費用 診断書などの発行手数料 実費
文書料 事故証明書や印鑑証明書、住民票などの発行手数料 発行にかかった実費
休業損害 事故により発生した収入の減少 1日あたり5,700円。証明ができれば19,000円を限度として実額。
慰謝料 交通事故による精神的・肉体的な苦痛への補償 1日あたり4,200円。日数はケガの状態や治療日数などから判断。

自賠責の補償②-被害者に後遺障害が残ってしまうケース

大きな後遺傷害が残るようなケースを見ていきましょう。

神経系統の機能や精神・今日腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害

  • 常時介護を要する場合(第1級):被害者1名につき4,000万円
  • 随時介護を要する場合(第2級):被害者1名につき3,000万円

その他の後遺障害

後遺障害の等級に応じて、被害者1名につき第1級3,000万円~第14級75万円

支払いの対象になる損害 支払基準
逸失利益 後遺障害のために、発生すると思われる将来の収入減 その人の収入や、後遺障害の程度(1級~14級)、収入減の期間などによって計算
慰謝料等 交通事故による精神的・肉体的な苦痛への補償 神経系統の機能や精神・今日腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害の場合

第1級:1,600万円+初期費用500万円、第2級:1,163万円+初期費用205万円

それ以外の後遺障害の場合

第1級:1,100万円~第14級32万円(第1~3級で家族に扶養される者がいれば増額)

自賠責の補償③-被害者が死亡してしまったケース

被害者1名につき3,000万円が限度

支払いの対象になる損害 支払基準
葬儀費 お通夜や火葬、墓石などの費用 60万円。

証明できるなら100万円までの妥当な額

逸失利益 死亡しなければ稼いだと思われる収入から、本人の生活費を除いたもの 本人の収入や、働ける期間、扶養している家族の有無などから計算
慰謝料(本人) 被害者本人の慰謝料 350万円
慰謝料(遺族) 遺族の慰謝料  請求者1名で550万円、2名で650万円、3名以上で750万円。

ご遺族に扶養されていた人がいた場合は、さらに200万円

 

自賠責保険と任意保険の関係

自賠責保険と任意保険の関係を整理すると、こうなります。

  • 相手のケガへの対応⇒自賠責が優先され、上限を超えると任意保険の「対人賠償」で対応
  • 相手の車の修理費⇒自賠責の任意保険の「対物賠償」で対応(自賠責は対象外)
  • 自分のケガに対する治療費⇒任意保険の「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」で対応(自賠責は対象外)
  • 自分の車の修理費⇒任意保険の「車両保険」で対応(自賠責は対象外)

自賠責だけで対応できる範囲はとても限られていることがお分かりいただけると思います。

任意保険の保険料

自賠責保険は、法律によって義務づけられた保険なので、保険料は一律です。

一方、任意保険のほうは、さまざまな保険会社が競争しながら保険料を設定しているため千差万別です。

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